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家づくりの知識
古民家のリフォーム、リノベーション~メリット・デメリット~費用の相場は?
弊社でも年間数件の古民家のリフォーム・リノベーションを施工させていただいております。古民家で暮らす生活はとても心落ち着くもので新築では出せない味わいがあるのが特徴です。但し、メリット・デメリットがありますので新築工事も比較検討された中でどちらがご自身の暮らし方、考え方に合うかを検討されることをオススメします。
まずメリットについてお伝えします。
古民家のリフォーム・リノベーション メリット3つ
① 味わい
古民家ならではの地松の梁や差し鴨居などの大きな材の雰囲気や色は何十年も時間を経てでてくる味わいだと思います。新築住宅にはない経年美があります。また現在そのような材料を揃えようとしても価格ももちろんのことですが、材料自体がありません。
古民家のテイストが好きな方はこの味わいを重要視される方が多いと思います。
② 想い
古民家をリノベーションする場合、先祖代々のお家を改装さえていただくことが多いです。ご自身のルーツでもあるご先祖様が繋いできたお住まいを次の世代に残していくということは非常に意味のあることだと思います。単純に家ということだけではなく、そこに想いがあることはとても素敵なことだと思います。
③ コストと広さ
多くの古民家はかなり床面積が大きいです。田の字の作りで続きの和室があり、応接室もありというのがパターンとして多いです。その広さや開放感はとても魅力的です。仮にその大きさを新築住宅で建築しようとすると倍近いコストがかかります。コストを抑えて大きな空間をご希望される方にはあった考えであるともいえます。
古民家のリフォーム・リノベーション デメリット3つ
一方で、もちろんデメリットもあります。
デメリット
① 耐震性
築年数にもよりますが耐震性で検討するとほとんどの建物は地震が来た場合、
倒壊の恐れありという判定になると思います。それは基礎、構造が現在の木造住宅とは全く違うことが原因です。現在では基礎は鉄筋入りはもちろんベタ基礎と言って基礎の底盤にも配筋、コンクリート打設を施工しているパターンがほとんどです。
古い住宅であれば石の上に柱が乗ってる場合もあります。現在の耐震基準に合わせることも不可ではありませんが基礎や構造をやり替えるには莫大なコストがかかります。内外装はキレイになったとしても耐震性に不安残す場合もあります。
② 断熱性
こちらも耐震性能と同様に現在の断熱性能には全く届いていません。昔の日本の住宅の作り方は吉田兼好の徒然草の一節にもありますが、家のつくりようは夏を旨とすべしと言って多湿な環境の夏をどう快適に過ごすかに焦点を当てて作られていました。そのため、夏は風が抜けある程度、過ごしやすいのですが冬はすきま風が吹き込みとても寒いのが現状です。断熱性能を上げるには、開口部(サッシ)を取り換えることで性能はあがりますが、外壁の断熱材が土壁の場合が多く、コストを考えた時にどこまでの性能を求めるかによってコストにかなり変わってきます。
③ メンテナンスコスト
リノベーション工事でどの範囲で施工するかによりますが築年数が経過しているお家はやはり定期的なメンテナンスが必要になってきます。坪数も大きいお家が多いのでコストも多くかかることになります。その住まいに何年住む計画なのかもよく考慮して計画を進めることが重要です。
古民家のリノベーションは新築工事では得られない雰囲気や広さを感じられますが、総合的に安心して快適に暮らせる住まいの検討をオススメします。
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